博愛物語

博愛物語

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博愛物語

 博愛物語とは

 

 

遥か40余年の歳月を遡(さかのぼ)って……。
父親の闘病の終結を無常な終焉でしか迎えることができなかった。
その痛嘆な死別(できごと)が、18歳の心にひとつの衝迫(おもい)を湧き上がらせるのだった。

「病んだ人やその家族のための心優しい医療施設を創りたい」。
その確乎たる希(おも)いから生まれた夢が、まるで湧昇する夏雲のように沸き立って、若い心を覆(おお)い尽くすのだった。
それが博愛物語の始まりでした。


茫漠とした夢の萌芽に生命(いのち)を吹き込んでくれた人々との邂逅(であい)。その篤志や奇跡のような好機に恵まれて、大きな渦を巻きながら、まるで新しい星が誕生するように、博愛会は生まれたのでした。

 

「夢は、必ず現実(かたち)になる」。この贈詞(エール)を同志たちへ伝えようとするならば、小説や脚本の力を借りることもない。博愛物語には、もっと身近に、確信のさざめきが聴こえてくるはずです。博愛会の誕生とその航跡には、多くの機縁や波瀾に富んだ逸話があったのでした。

 

この物語は、創設者である那須良昭(博愛会グループ会長)が、創設の起源とその航跡を綴りながら建立の意義とその精神を再思した抒情的な回顧文です。

"夢"を抱くことの難しい時代、"命"の大切さが希薄となった時代、そんな時代だからこそ、一途な希(おも)いとその結実を書き記すことで伝えたいものがある。

 

「博愛会の原点を書き残して欲しい」。企画スタッフの提案で、日頃、多くを語ることのない作者が、彫心鏤骨(るこつ)の覚悟を以って書き綴った伝言です。

10年後、20年後、道に迷った時、大きな岐路に遭遇した時、立ち戻るべき揺るぎない博愛会創設の原点が見えてくる筈です

 

 

目次

序章   起詞~プロローグ

第1章  ある永訣と邂逅

突然、告げられた父親の病名。家族への強い庇護(ひご)意識が大胆な嘘を吐(つ)かせたのでした。 闘病生活でのさまざまな経験と父親との永訣(わかれ)は、若い心に鮮烈な影を落とします。博愛会創設の原点は、長い年月を遡った過去(あのひ)にあったのでした。

 

第2章  夢が結実(かたち)になる

父親との無念の永訣(わかれ)こそが博愛会の原点だった。「弟と一緒に、患者本位の病院を創る」。往時の口癖でした。

博愛会創設までには、あの永訣(わかれ)から13年の歳月の流れと芳恩の人々との邂逅(であい)がありました。

「博愛会」命名の逸話と開設までの道程を回顧します。

 

第3章  夢の試練~増床時代

叶った夢の現実は、峻厳なものでした。すべてが欠如する現実に、幾多の試練が降り注ぎます。それでも夢の疾駆は、立ち止まることを知りませんでした。無床診療所としての出航から僅か5年の就航で、19床から70床へ、そして162床の病院へと大きくその姿を変貌させてゆきます。

 

第4章  ウェルネス誕生

「病気を早期に発見しなければ・・・」。予防医療の実践こそが、父親の死を見つめながら芽吹いた確乎たる希(おも)いでした。この希いを胸に、K市に開設される健診施設への就職を決意します。抱き続けた予防医療への希いは、17年の歳月を経て、健診センター「ウェルネス」開設となって結実するのでした。「ウェルネス」命名に秘められた希いや開設までの軌跡を回顧します。

 

第5章  新たな夢に向かって

「このままでは、博愛会は行き詰まる」。明日への緊要は課題を突き付けられていた。苦悩の末に下した決断は、常軌を逸した移転の道でした。この不撓不屈の決断も実現となれば前途遼遠の大計です。奇跡のような天佑に恵まれながら老人保健施設を併設しての病院移転を成し得たのでした。その完成に至るまでの千辛万苦の道程を回顧します。

 

終章  結詞~エピローグ